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本記事は、川村文化芸術振興財団に提出された報告書をもとに、原稿整理、短縮などの編集、再構成を行ったものです。

『ENCORE』プロジェクト

【申請プロジェクト名】
『ENCORE』プロジェクト

【申請者名】
ユニ・ホン・シャープ

【助成金】 40万円


【概要】
『ENCORE』プロジェクトでは、兵庫県豊岡市近郊に住む海外にルーツを持つ方々とのワークショップや、在日朝鮮舞踊家、日仏通訳者をコラボレーターとして迎えたレクチャーパフォーマンスの開発、および映像制作を行います。かつて「半島の舞姫」と呼ばれ、日本・朝鮮・欧米など世界各地で活躍した崔承喜(チェ・スンヒ)の複雑なアイデンティティを検証し、歴史を異なる手法で「再演」することで現代社会との関係を結び直す方法を模索しながら、私たちのアイデンティティやコロナ禍で顕在化した諸問題を再考する試みです。滞在制作後は、京都やフランスをはじめ、国内外での発表を計画しています。


【開催/実施/発表】

●リサーチ
◯日程:2022年4月7日~5月9日
場所:城崎国際アートセンター(兵庫県豊岡市)
◯日程:3月1日~4月6日、5月10日~25日
場所:Institute of Contemporary Arts Kyoto(ICA京都)


●ワークショップ

◯「Ad Mornings Migration」ゲスト:Ad Mornings|2022年4月8日~9日
〈会場〉城崎国際アートセンター
〈参加人数〉約20人
◯「オリエンタル・ダンス・クラブ」ゲスト:ユン・ミユ|4月15日
〈会場〉城崎国際アートセンター
〈参加人数〉5人


●成果発表

◯レクチャーパフォーマンス|2022年5月8日
〈会場〉城崎国際アートセンター、ホール
〈現地鑑賞者数〉約40人
◯レクチャーパフォーマンス|5月21日
〈会場〉京都芸術大学、映像ホール+Studio21
〈現地鑑賞者数〉17人


【成果】

2022年3月1日から4月6日にかけ、ICA京都を拠点に、崔承喜に関連する資料収集とワークショップを行い、京都の在日外国人コミュニティーに関する聞き取りも進めた。とくに京都国際交流会館では、ニューカマーの在日外国人コミュニティーに関して、また南山城同胞生活相談センターでは、ウトロ地区(京都府宇治市)の歴史と古くからある在日コリアンコミュニティーについて、お話をうかがった。

4月7日より、城崎国際アートセンター(兵庫県豊岡市)にて翻訳家/通訳者の平野暁人さんと協働しながら、レクチャーパフォーマンスの制作を進めた。また、崔承喜の踊りを受け継ぐ在日コリアンダンサーのユン・ミユさん、映像作家の飯岡幸子さん、映画監督の草野なつかさんと、海辺で映像の撮影を行った。そうした撮影と並行し、下記のワークショップを開催した。

ワークショップ「オリエンタル・ダンス・クラブ」の様子、城崎国際アートセンター 提供:城崎国際アートセンター(豊岡市)
まず、アーティスト集団 Ad Morningsをゲストに迎え、豊岡近郊の海外にルーツを持つ方々と交流するワークショップ『Ad Mornings Migration』を行った。外国にルーツがあり日本への移動経験を持つ市民とともに、コロナ禍での出来事や制限された移動についての取材をし、いっしょに記事を制作した。
次に、ユン・ミユさんによる朝鮮舞踊についてのレクチャーと、ユニ・ホン・シャープによる「東洋」について再考するエクササイズを組み合わせたワークショップ『オリエンタル・ダンス・クラブ』を実施した。
Workshop “Oriental Dance Club” at the Kinosaki International Arts Center. Courtesy: Kinosaki International Arts Center (Toyooka City).
こうした制作を経て、 5月8日に『ENCORE』プロジェクトの公開リハーサルと感想をシェアする会を行った。レクチャーパフォーマンスでは、日本や朝鮮、欧米など世界各地で活躍し、「半島の舞姫」と呼ばれた崔承喜の辿った道のりを、異なった言語やイメージを交えながら再考した。
パフォーマンスでは、崔承喜についてのアーカイブから引用したテキストや写真を再現したイメージ、またそれと並行し、崔と関係が見られたりその存在が喚起されたりする場所へ実際に訪れリサーチを行うユニ・ホン・シャープの旅の記録が使用された。
5月10日からは京都へ戻り、撮影した映像の編集作業を進め、ICA京都での成果発表へ向けた広報物の制作やレクチャーで使用する事項のさらなるリサーチを行った。その後、9月18日にフランスLe Cneai = (Centre national édition art image)にて作品の映像を展示。今後もライブやインスタレーション形式の発表を予定している。
レクチャーパフォーマンス『ENCORE』公開リハーサルの様子、城崎国際アートセンター 提供:城崎国際アートセンター(豊岡市) ©igaki photo studio


【関連サイト】

越智雄磨「来るべき言語を求めて──ユニ・ホン・シャープ『ENCORE』公開リハーサル鑑賞ノート」(ウェブサイト:城崎国際アートセンター)

https://kiac.jp/article/1407/