※本記事は、川村文化芸術振興財団に提出された報告書をもとに、原稿整理、短縮などの編集、再構成を行ったものです。
Re-heat and Reborn
【申請プロジェクト名】
Re-heat and Reborn
【申請者名】
胡宮ゆきな
【助成金】 50万円
【概要】
2021年11月、カジマヤー(沖縄で行われる数え年97歳の長寿祝い)を楽しみに準備していた沖縄の祖母が93歳で亡くなった。私はコロナ禍の渡航制限、隔離により、現在の制作拠点である台湾から沖縄へ向かうことができなかった。最期、お通夜、納骨、お葬式。すべてをリモートでつないでの画面越しでのお別れであった。
中華圏の宗教儀式や葬儀文化でよく見かけ、欠かせない紙細工「紙紮」(しさつ/ Zhǐ zā)の文化を引用して、祖母のカジマヤーを執り行う。紙紮とはさまざまな神の姿を模した紙人形から、住宅や自動車などの生活用品を紙細工によって再現したものまであり、故人があの世でもよい日々を送ることができるよう願いを込めて燃やし、あの世へ届ける。
記録用の撮影スタッフメンバーも、日本、沖縄と中華圏、欧米とさまざまな文化的感覚と目線を期待した方々へ依頼している。
【開催/実施/発表】
カジマヤーのオープンカーと爬龍船によるパレード
●制作
期間: 2023年9月初頭~10月21日
●Re-heat and Reborn─風連りてぃ巡る─死後重生 沖繩|10月21日
〈場所〉
沖縄県読谷村、ユンタンザミュージアム→那覇市内……オブジェクトの焼成(お焚き上げ)、三線奏者とカチャーシー(沖縄民謡で踊ること)をして終了
〈参加人数〉
約100人(沖縄県内外、台湾、ドイツ(オンライン出演)の参加者)
カジマヤーに使用した爬龍船のお焚き上げ
【成果】
誰しもが迎える老いや死に対しての向き合い方を問い直す試みであり、超高齢化社会を生きていくためのアイディアを、「カジマヤー」の風習と、中華圏の「紙紮」を用いてプロジェクトを進めた。
台湾の伝統的な紙紮の制作方法を参考に、2台(左ハンドルのオープンカーと沖縄県浦添市小湾に伝わる伝統行事「アギバーリー」爬龍船)を制作し、その周りに花を添えるように紙花をプロジェクト参加者で約3000個折り上げた。国道でのパレードや、琉球舞踊を盛り込んだイベントを開催し、亡くなった祖母が生きていたらカジマヤーを迎える2023年10月21日(土)に、大勢の参加者が見守るなか、紙紮カジマヤーをお焚き上げして祝い届けることができた。お焚き上げ後はドイツの三線奏者とオンラインでつなぎ、生演奏のなか参加者全員で沖縄のお祝いには欠かせない即興踊り「カチャーシー」を踊り、プロジェクトは無事に完結した。なお、このプロジェクトはドローン撮影、沖縄のカメラマン、台湾の報道記者によって記録され、現在はその記録を素材に作品化に向けて制作中である。
このカジマヤーのプロジェクトは、沖縄タイムス、琉球朝日放送、聯合新聞(台湾)で紹介された。
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